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[ひとり言] 冥福を祈る

昨日の16時すぎ

「あら、こんな時間に珍しいね」

嫌な予感というのは得てして当たるものだが、今回ばかりは、外れてほしかった。。。

 

「彼がね、交通事故で死んじゃったの」

 

彼女はそう言った。

膝から崩れ落ち、わんわんと号泣する私

寝ていたみーちゃんが驚いて飛び起きたほどだから相当だったと思う。

 

彼女はボクノワタシノのお客さんである。

二人で来るときは、いつも彼はここで彼女の買い物が終わるのを待っていた。

楽しそうにうつわを選んでいる彼女を見るのが楽しいと言わんばかりに、静かにここ座っていた。

猫が好きで、みーちゃんとお近づきになりたいけど、怖がらせないように離れて座る、やさしい人だった。

 

彼女はいつも笑っていた。

特別に親しいわけではないが、私は、二人が楽しそうにしているのをみるのが好きだった。

とても、

とても好きだったんだ。

 

14年という長い時間を一緒に過ごし

そろそろ結婚しようと、婚約指輪を注文し

それが届いた翌日だったらしい。

3週間前だという。

どうして、、、

 

気丈にしている彼女にかける言葉が見つからず

ただただ泣きながら

彼女の背中を、肩を、なで続けた。

 

「えらかったね、えらかったね・・・えらかったねぇ」

 

出てきた言葉はこれだった。

「えらかったねぇ、えらかったねぇ」

ずっとずっとそうしていた。

時々、みーちゃんが彼女の脚にすり寄ってきた。

 

今日、

彼女が

長く暗いトンネルをいつか自分の力で抜け出せるよう願いを込めた。

 

もう二人でボクノワタシノに姿を現すことはない。